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パパの車1へ
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登場人物
ミーヤ
パパ
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もくじ
1
車
ある
日、
家に
帰ったミーヤは、ひどくおどろいた。
新しい
車があったのだ。
「パパ、これどうしたの?」
「おかえり、ミーちゃん。
買ったのだよ。」
「わあ、すごいね。」 ミーヤはそう
言うと、
家に入った。
車は、
夕焼けの
中、ぴかぴかと
光っていた。ミーヤは、ちかごろパパとあまり
遊ばなくなった。そういう
年頃なのだろうか、パパは
心配だった。
ミーヤはご
飯を
食べると、
宿題をすませた。
窓から
外を
見ると、
星空がきれいだった。その
夜、ミーヤは、
星空の中でパパの
新しい
車に
乗ってドライブをする
夢を
見た。
つぎの
日の
朝、
空ははれていた。
「じゃあ、
学校に
行ってきます。」
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2
学校
「ああ、
気をつけて。そうだ、なにか
忘れ
物があったら、
学校までとどけてあげるよ。」
「いいよ、パパが
来ると
恥ずかしいから。」
そう
言って、ミーヤは
出かけた。パパは、ミーヤが
忘れ物をしていないか、あたりを
見まわした。しかし、なにも
見当たらなかった。 ミーヤは、
神社のあたりを
歩いていた。
道のまわりは
木ばかりだ。ミーヤは
空を
見上げて、けいたい
電話を
取り
出した。
「もしもし、パパ、
帽子忘れちゃったよ。」 ミーヤは、ひどくあわてものだった。
「あ、
帽子か。
今どこ?」
パパは、
遠くだったら、
車で行こうと
思った。
「まだ、
神社のあたりだよ。」
「なんだ、そんなに
近くなら
歩いてもどったほうが
早いよ。」
神社までならだれもいないし、
車で
来てほしかったなあと、ミーヤは
思った。
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3
小箱
歩きはじめると、ミーヤのポケットからけいたい
電話がポロリと
落ちた。しかし、ミーヤは
気づかず、
行ってしまった。
山にすむミコは、
里の
道を
歩いていて、
光る
小箱を
見つけた。
「パパ、これ、なんだろう?」
「さあ?
学校の
子の
落し
物かも。
ミーちゃんがとどけてあげたら?」
「そうだね。」
そう
言うと、
二人は
山の
中に
入っていった。
ミコは
山道を
歩いて、
学校に
着いた。しかし、
落し物の
持ち
主がだれなのかわからない。ミコは、
学校が
終わるのを
待つことにした。
夕焼けが
輝きはじめた。とつぜん
落し物から、
音がなりはじめた。ミコはびっくりして、それを
下に
落とした。そうしたら、
落し物から
人の
声が
聞こえてきた。うわ、なんだろう、
魔法の
小箱かと、ミコはおどろいた。
「もしもし、パパだけど、ミーちゃん?」
「はい、ミーですが・・・。」
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4 むかえ
「ああ、ミーちゃん。
新しい
車買ったし、
一度むかえに
行ってもいいですか?」
「はい・・・。」
ミコは、わけがわからずそうこたえた。いつもいやがるのに、やはり
新しい
車を
買ってよかったと、パパは
思った。
パパが、
車で
学校に
着くと、ちょうどミーヤが
出てくるところだった。
「ミーちゃん、むかえに
来たよ。」
「ええーっ、
恥ずかしいから、むかえに
来ないでと
言ったのに・・・。」
「さっき、
電話したら、いいって
言ったよ。」
「え?
電話、
落としちゃって、もっていないよ。」
じゃあ、さっき
電話に
出たミーちゃんはだれ?とにかく
車に
乗って。」
二人は
車に
乗って、
顔を
見合わせた。パパがミーヤの
電話にかけてみた。
「もしもし、
電話をひろったミーちゃんですか?ありがとう。どこに
取りに
行けばいいですか?あ、どうも。」
パパは
電話をきった。
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5
星
「
山の
上にあるほこらにあるから
取りに
来てだって・・・。いっしょに
行くか?」
山の上なら、だれにも
見られないし、
行ってもいいかなと、ミーヤは
思った。
「うん・・・。」
山道は、
桜が
満開できれいだった。
花のトンネルの
中で、
花びらが
舞っていた。
山の
上までの
道は
長かった。
そのうちに
暗くなって
星が
出てきた。
「
星がきれいね。」 ミーヤは、
夢で見たのと
同じように、
星空の中をパパと
走っていると
思った。ミーヤは、パパのことを、きらいというわけではなかった。
車は
山の
上に
着いた。
頭上では
星が
輝いていた。ほこらにはキツネの
像が
飾ってある。けいたい
電話の
小箱には
星が
映っていた。
「どうして、こんな
山の
上にあるキツネのほこらに
置いてあるのだろうね。」
パパは
不思議そうに
言った。
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